日時:2004年1月11日 場所:御所オートランド(熊本県矢部町) バイク:TT250R タイヤ:前後ともS12(使い古し) |
今年も年明け早々のAOEです。ここ数年走っているせいか、年始の恒例行事に成りつつあります。今回は、バイクの調子が悪く、年末年始の帰省等の都合で修理&準備ができないことはハナから分かっていて、出るかどうか迷いました。 とりあえずバイクのオイル漏れの原因がたいしたことがなかったので、出ることにしました。 今回は鬼岳オフロードRCの主要メンバー4人が勢揃い。久しぶりににぎやかです。現地へはたにやんとhirockがキャラバン号で、babanbanと船長っがステップワゴン+トレーラーで向かいます。それぞれ別ルートだったのですが、たにやん達が先に現地入りしたようです。船長っ達が現地入りしたのは18:00前頃、なんとか明るいうちに到着できました。去年の現地着は深夜0:00だったので、今回は余裕です。 たにやんがレースに来ると食い物には困りません。おまけに今回は四つ足のタープをブルーシートで囲った上に、石油ストーブまであります。防寒着を着て中に入ろうものなら暑くってしょうがありません。おかげで、比較的薄着で快適な宴会が楽しめました。この快適な宴会場(?)にはmitiさん&なりれんさん、チーム昭和寮のぼくしょうさん、tadashiさん、サクさんなどいろんな人が訪ねてきて、とても楽しい雰囲気でした。いつものことながら、食うだけ食ったら「さっ、帰ろうか?」って、オイオイ明日走るんじゃないのかい?となってしまいます。ここで燃え尽きてどうすんの? 夜の挨拶回りではいつものげんさん、毎年これだけ来る飯野さん、今回は妙なバイクで走るという中島君がいました。そしてカチガラスの古川夫妻も。まさか出走するとは思ってなかったけど。(やっぱり見てるより走った方が楽しいんですね) |
朝は6:30に起きました。一緒の車で寝ていたbabanbanはまだ起きてきません。早めに朝食を済ませて、○○コも済ませて準備O.K? 今度のレースは、目標がありました。と言うか意地なんですが、同じメンバー最若手のhirockだけには負けたくなかったのです。だから、少々のことは我慢して走ろうかと・・・・思っていたのですが。 |
○絶好調のスタート |
ここ最近暖かいのと、雨が降っていないのでコースはとてもドライでした。霜柱もない状態なので、いつもは苦労する黒土もたいしたことなさそうです。 スタートはたにやんとhirockが4列目、船長っが5列目、babanbanは8列目でした。 たにやんとhirockのスタートをとくと見定めてから、船長っもスタート。ドライコンディションだし一呼吸おいたりしないで、普通に走ります。走りはじめて思った以上に走りやすいので、前のたにやんたちに追いつくべく頑張って走ります。しばらく進むとちょっとした登りでプチ渋滞。そこにhirock発見!!「ふっふっふっ!渋滞にはまったな!」と得意げにhirockを抜き去ります。 |
○さよならhirock |
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いつもならスタート直後からヘロヘロに疲れてしまうのですが、今回は違います!疲れていません。絶好調です。強いて言えば右手の手のひらがちょっときついかな。息も上がってないし腕も上がってない。「これは頑張ればけっこう走れるかも?」とほくそ笑みながら進みます。 しかし、そんな考えもつかの間でした。川に入ったとたんに右手の握力がなくなってしまい、ハンドルを支えるのはおろかアクセルさえひねれない始末。右手の疲れ方が「絶好調っ!!!!」って感じです。だから、なかなか前に進めません。手のひら以外は何にも調子が悪いことはないのに・・・悔しい!! そのとき後ろに気配が・・・。軽い2stの音。「もしかして・・hirockでは?」振り向いた先にはやっぱりhirockが来ました!ガーン! |
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「そら!どうした自分!行け行け!前へ進めぇ!」と無理な指令を発してみますが、その結果は片足をシートの上に載せ、もう片方のつま先で川底の石を突きながらバイクを危なっかしく支える船長っがいました。気持ちとは裏腹にバイクは一向に進まず、すぐにhirockに抜かれてしまいました。hirockも川は得意ではないらしく、ふと気づくとまだ前方に見えています。「そら!行けぇ〜!」と、一度はこの川で抜き返したものの、川を上がる頃には遥か彼方に旅立ってしまいました。こうもあっさり抜き去られてしまうなんて、三日殿下とはこのことです。そして心の中で「さよならhirock」とささやくのでした。 |
○首を洗って待っててね! | |
川を上がると移動区間になります。ここでちんたら走るわけにはいかないのですが、右手の握力が回復していません。数百メートルは壊れた機関車のようにトロトロ走り、林道に入ってから少しペースを上げてみます。ここでhirockが見える位置まで追いつければ、なんとかなりそうな気がします。しかし、hirockも頑張っているらしく、そう簡単には追いつけません。長い林道なので気を抜かず走ってこうと思い、ある程度のペースを維持します。それにしても、前には誰もいないし後ろからも誰も来ません。ほとんどツーリング気分です。 しばらく走ったところでhirock発見!そこで船長っは「ふふふ、追いついたぞ!」と不気味な笑みを浮かべるのでした。しかし船長っの右手の握力も完全には回復していないし、ここは握力回復を待って、林道が終わってから頑張ってみることにします。 |
○それは「テク」ではありません・・・ | |
林道を抜けて牧草地に帰ってきました。林道でたっぷり休憩したので、右手もばっちりです。相変わらずhirockが前にいます。どこで抜こうかと間を詰めているうちに小川セクションに入りました。実はここ、川の中を走った方が非常に楽で速い区間なんですね。最初の川できつい思いをするとどうしても「陸」に上がりたくなるのが人情ですが、「陸」は轍だらけです。hirockもそう感じたのか、迷わず「陸」へ上がっていきました。それを後ろから見た船長っは「シメシメ」と思いながら、小川の中を進みます。ここでやっとこさ、hirockを抜きました。しかしそれはテクニックで彼を上回ったのではなくて、単にここを走った回数が違うだけなんですね、よく考えてみると。それに気づくと何となくうれしさ半減でしたが、「このまま追いつかれないように頑張るのだ!」と自分に言い聞かせながら先に進みます。 |
○リバーランズ・スルー・イット |
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さて、今回の矢部はコースのほとんどがドライ。とても走りやすいので走りながら「AOE」であることを忘れるほどでした。いつもは敬遠する「近道」も「通らなきゃ損!」って感じでした。時々見え隠れするhirockにプレッシャーを感じながらも快適なコースを楽しんでいたのですが、少しバイクが変なんですね。どうも前輪の空気圧が低すぎるような感じです。まぁ船長っのスピードではさほど問題ない程度なので、ピットには入らずそのまま走りました。 hirockは大きなミスもなく頑張っているので常に船長っの近くにいます。彼が近くにいると言うより、「必死で船長っが逃げている」って感じですが。そしてまた川がやってきました。どうにもここは止まってしまうことが多くて、思うように進めません。案の定、hirockにあっさり抜かれてしまいました。 |
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そして3周目も一旦はhirockの前に出たのですが、またもや川で抜かれてしまいます。「なにクソッ!」と差が開かないように頑張ったのですが、川では抜かれたまま。思うように体が動かず、映画「リバーランズ・スルー・イット」の冒頭で年老いた主人公が手を震わせながら釣り糸を結ぶシーンを思い出してしまいました。(まだそんなに年じゃないって!) |
○トラブル発生Part1 |
川から上がるところで「さぁ!追いつくぞ!」と思ったのもつかの間。トラブル発生です。前輪がパンクして完全にビードが落ちていました。川の直後なのでまだコースは3分の2ぐらいあるはず・・・。川から上がるとすぐに一般道に出るはずなのであきらめるなら、すぐなんですが、なんだか悔しくて時間もまだたっぷりあったので、ゆっくり走ってピットまで行くことにしました。 さっきまではさほど他のライダーに会わなかったのですが、ここからは違います。特に林道に入ってからは、沢山の人に抜かれていきました。「何でこいつ、こんなに遅いんだ?」と思った方もいたのではないでしょうか? 船長っのレースはこのあたりで終わっていたような気がしますが、そのときはまだそうは思っていなかったんです。「パンクが直ったらがんばろう!」・・と。 |
○甘く・・ない誘惑 |
トロトロと走って牧草地エリアに入ったところだったと思います。変なバイクがコース左側に止まっています。ヘルメットの中に不気味な笑顔、そしてなんだか手招きをしています。よく見ると中島君でした。「サスが前後とも抜けちゃった!」と笑顔で語りかけてきました。船長っも笑顔で「前輪がパンクした!」とこたえると、「休んでいこうよ!」と誘ってきます。まわりは牧草というか野原というか、当然、何にもないところです。美味しいコーヒーでもあったなら、止まったかもしれませんが、船長っは「まだ走れるかも知れない」と言う希望を胸に「それじゃ!」と先を急ぎました。あんまり魅力的な誘惑じゃなかったので失礼しました>中島君 |
○パンク修理 |
やっとのことでピットに帰ってきました。途中、もよおしてきた(小)のでパンクの修理の前にトイレに行こうなどと考えながら。ピットにはいるとtadashiさんが手伝ってくれました。空気入れがなかったので、車のところまで取りに行き、戻るときには忘れてました。トイレに行くのを・・・。 前輪を浮かせるために近くの大きな木の切れ端にバイクを寝かせて、シャフトを抜こうとしたら、これが固着していて抜けない!!今思うと美和以来抜いてないんです。川を走ったのに放っておいたからこんな事になったんでしょうかねぇ。仕方がないのでシャフトは刺さったまま作業をすすめます。 換えのチューブはなかったので、パッチを貼り付けたのですが・・・いまいち直りそうにないんですねぇ。パンクしたままコースの半分以上を走っていたし、泥だらけでゴムのりにもパッチの表面にもちょっと泥が付いてるような・・・。一応、チューブの方はガソリンできれいに拭いたのですが、ウエスが汚かったので意味がなかったかも? 空気をパンパンに入れて走り出したのですが、すぐにしぼんでしまいました。そこで静かに諦めモードに突入していくのでした・・・。そして、忘れていた尿意は静かにわき上がってくるのでした。 |
○トラブル発生Part2 |
時間的には今の周回で終わることが確実でした。パンクしたバイクを走らせながら、ふと、「このTT250Rも今年で10年目かぁ」という思いが浮かんできました。 近道の下りでbabanbanに抜かれました。「オーイ!」と声をかけてくれたのですが、そのスピードでこっちを見ながら走るなんて危険だなぁと思ったんです。そのとたん、babanban激しく前転。一瞬「大丈夫かなぁ?」と思ったのですが、すぐにバイクを起こして何事もなかったかのように走り去ってしまいまいました。 船長っはゆっくり川へ下って行っていたのですが、なんかこのバイク、パンクはしてるし、いろんな所がボロボロなんですね。今までいろんなところを一緒に走って、何となく「ああ、苦労かけたなぁ」としみじみと思い起こし、「もう(今回の)レースなんてどうでもいいよ、一緒に最後まで走ろう」という気持ちになってきました。 川のある谷へ下る途中で「あと一周だけど頑張ろうな!」と感慨深くタンクを右手でポンとたたいた瞬間、エンジンストップ! 「なでやぁ!?今頑張ろうって言ったばかりじゃん!」 キュルキュルとセルを回しますが、一向にかかる気配はありません。バッテリーが上がるので、休憩を挟みながらセルを回しますが掛かりません。またいつもの電装系トラブルです。ちなみに今日のキャメルバックには「アミノ式2倍希釈」が入っていました。なぜかそのことが途端思い出され、船長っの頭の中では「デンソウケイ〜デンソウケイ〜アミノシキ(ムリ!)」というフレーズがエンドレスで繰り返されました。 そのうち、バッテリーも上がり気味になってきて、ほとんどセルが回らなくなったので、仕方なくキックを繰り返しますが、それでもかかりません。結局はタンクとシートを外してその下のコネクター類を一度外して着けると言う作業をすることに。以前からこれをやるとかかっていたので、試してみると・・・かかりました。 とりあえずはホッとして再スタート。「川で止まったらどうしよう?」と言う不安を残して・・。 |
○さよならたにやん |
川にはいると、たにやん発見。話をしてみるとどうやらチェーンが切れて復旧したあとらしい。「針金でつないだ」と言うことで時間も時間だったので、「川を上がったらやめた方がいいですよ」と言い残して先へ進みます。 船長っもすでに、次のチェックには間に合わない状況でしたが、パンク修理に電装系のトラブルを克服(?)してここまで来ていたので、「残りのコースを楽しみながら帰ろう」などと思っていたのです。 ところが!川の中盤でまたもやエンジンストップ、わずかに充電したバッテリーを酷使してセルを回してみますが・・・やっぱり駄目。すぐにセルは死んでしまって、キックの嵐です。時々休みながらキックを続けていると追い上げのマーシャルが4台ほどやって来ました。「ガス欠ですか?」と聞くマーシャルに「(けっして)そうじゃありません!」とこたえる船長っ。ピットでパンク修理をしたのが3周目の終わり、ピットを出るときもガソリンをチェックしたのですが、まだ十分でした・・・、まっ、それほど「走ってない」って事ですね。 そうこうしているうちにたにやんは船長っをパスしていきました。ここでも心の中で「さよならたにやん」とつぶやくのでした。 結局またシートとタンクを外してコネクター類を抜き差しします。そしてエンジンスタート。後ろで待っていてくれたマーシャルに「あと10分(も?)ありますよ!頑張って!」と言われましたが、さすがにやる気がなくなってしまって「もう止めます」と答えて川を上がったら舗装路を通って帰ることにしました。 会場まで上がってくるとげんさんから「なにしよん?」(と多分言っていた)と指さして笑われてしまいました。 |
今回はトラブルが多くて満足のいくレースではありませんでした。しかしそれは決してバイクが悪いわけではなくて、日頃いかにバイクに乗っていないかと言うことなんですね。乗っていればトラブルもそのとき起こるはずだし、事前に修理することだってできるはずです。やっぱり日頃の練習量なんですね、スピードもバイクの調子も。と言うわけで今年は練習量を増やしますので、船長っ家のみなさま(約2名)よろしく。 |