キャブレーターの整備
前回のスーパーGFEDでは、日頃の整備不良がたたって、キャブレーターの不調に泣きました。
そこで、数年ぶりにキャブレーターを分解清掃してみました。
1.まずは取り外し
整備マニュアルには、「前後のジョイントのネジ(+)をゆるめて取り外す」とある。
しかし、スペースが狭くてキャブは回転がほとんどできないし、前後のスライドもかなり力業。取り外しはかなり苦労します。(ということは・・・・取り付けも力業です)
2.分解
取り外したら、キャブの上の方から順に分解していきます。ミキシングチャンバーキャップ、スロットルアーム(完全には取り外さない)、ジェットニードルなどの順番です。
取り外したジェットニードルは、いかにも「ほたってました!!」って感じにうっすらと青錆が付着して汚れている。
ニードルやスロットルバルブまで外したら、キャブレーターの下の方から分解を続けます。
フロートチャンバーとダイアフラムを取り外します。フロートチャンバーを外すとフロート、メインジェット、パイロットジェット(メインの隣の穴の中)、二ドルバルブなどが見えます。
パイロットスクリューを抜き取ります。一度完全にねじ込むまでの回転数をメモしてから抜き取ります。後で組むときにこの回転数を目安にします。
フロートチャンバーを留めているピンは、フロート支点のステーにある「矢印」の方向に太めの針金や使い古しの精密ドライバーなどを使って打ち抜きます。これでフロートとバルブシートがはずれます。ニードルバルブはネジで上から押さえてあるのでネジを抜いた後、抜き取ります。少々きつくはまっているので傷を付けないように慎重に抜き取ります。この止めのネジ、かなり錆びていました。まえ(2〜3年前)開けたときは全く錆はなかったんですけどね。
メインジェット、メインノズル、パイロットジェットを取り外します。これらのパーツも青錆がついてかなり汚れていました。
ここまでバラすとほぼ分解完了です。
3.清掃
ガソリンを使うと汚れの落ちが良いのですが、引火性が強く危険なので船長っは灯油と市販のキャブクリーナーを使用します。
今回、ニードルバルブとバルブシートは新品に交換しました。
清掃は真鍮のパーツがほとんどなので、金属のブラシや針金等は使用できません。傷を付けたり穴が大きくなったりするとキャブのセッティングが出なくなったり、機能しなくなったりします。
船長っは使い古しの歯ブラシを使って清掃しています。
清掃後は残った灯油や汚れを強いエアーで吹き飛ばして乾燥させます。エアーはコンプレッサーとエアガンがあると良いのですが、もっていないのでOA機器ようの「エアダスター」を使用しています。
4.組み立てと組み付け
パーツが乾燥したらキャブを組み立てます。手順は分解の逆で行います。
特に注意が必要なのはフロートの取り付けと、パイロットスクリューの取り付けです。
フロートの止めピンはステーについている矢印と逆の方向から挿入します。最初のステーの穴は楽々通過して次の穴に入ったところで打ち込みます。最初の穴で入らなかったら挿入方向が逆です。
パイロットスクリューは、一度最後までねじ込んで分解の時にメモった回転数だけ戻してやります。ここを適当にやっておくと、組んだ後エンジンがかからないときがあります。
キャブが組み上がったら油面を調整して本体に取り付けです。
TT250Rのキャブの場合、フロートチャンバーとキャブ本体の継ぎ目から8mm前後下が油面なのでそれをチェックします。
方法は、キャブ下端にあるドレーンに燃料用の透明(ピンク)ホースを取り付けて、それを曲げてキャブ上部に向けます。この状態で燃料タンクとキャブを接続して、ドレーンを緩めます。するとチューブにガソリンが上がってくるので、その油面とチャンバーの継ぎ目の間隔を計ってチェックします。普通は調整の必要はないですが、組んだ後はチェックした方がいいです。
組み付け、こればっかりは何度やっても力業以外無いように感じます。取り付けの時に前後の固定用のリングを変形させたりして後で締まりが悪くなったりするので少し注意が必要です。
分かってはいるのですが、なかなかはまらないのでつい力任せにやってしまって、今回も変形させてしまいました。レーサーの場合は比較的やり易いようです。
5.エンジンをかけてみる
取り付けが完了したら、燃料タンクと接続してエンジンをかけてみます。
今回はパイロットスクリューを3/4回転だけ多めに開けて組んだのですが、エンジンはかかりませんでした。2/4程絞ってやると調子よくかかりました。
後は実際に走ってみた方がいいんですが、今回はナンバーと保安部品がまだ付いていないのでオアズケです。
今度練習がてらコースで走ってみようかな。